「世界中のすべての人々を笑顔に」をキャッチフレーズに、世界中の人々に笑顔と健康とコミュニケーションの場を提供しているラウンドワングループ。同社は、ボウリングやカラオケにスポッチャなどの屋内型複合レジャー施設を通して、多様なエンターテインメントサービスを国内外に展開しています。株式会社ラウンドワンジャパンのシステム部では、店舗や本社業務で利用するIT全般の運用管理を担い、長年にわたりオンプレミスのメールサーバーを運用してきました。そして、2023年に旧メールシステムをDEEPMailに更新し、コストを抑えつつメールデータをオンプレミスで保管し、セキュリティ対策とコンプライアンス対応を推進しています。
国内の全店舗を結ぶ電子メールをオンプレミスで運用
株式会社ラウンドワンジャパンの運営企画本部で、嘱託としてシステム部の部長を務める富山 清貴氏は、DEEPMailに更新する前のメール環境を次のように説明します。
「長年にわたりLinuxに対応したメールシステムを運用してきました。以前の環境では、国内の約100店舗に2つずつのアカウントを発行し、主に本社と店舗間の連絡に活用していました。また、一部の承認された社員には、外部とやり取りできる権限を与えて取引先などとの連絡に利用していました。
しかし、2023年に旧メールシステムのサポートが終了するという案内をもらい、更新を検討することになりました」。
更新にあたっては、同社のシステム部を長年サポートしてきたITパートナーに協力してもらいました。運営企画本部の副部長で、システム部の部門責任者を務める山口 輝久氏は、当時の経緯を次のように振り返ります。
「2023年の11月に、私がシステム部に配属されるタイミングに合わせて、メールシステム更新の選定が行われていました。赴任した直後だったので、ITパートナーからの提案やアドバイスを中心に、選定を進めていきました」。
コスト、セキュリティ、コンプライアンスの観点でDEEPMailを採用
DEEPMailの選定にあたって富山氏は「信頼性や旧メールシステムで行っていたオンプレミスでの運用に対応しているか、といった基本的な継続性に加えて、特に重視したのは長期的な運用にかかるコストでした。長期的な視点で考えると、継続的に一定の使用料が発生するクラウドサービスを使うよりも、最初にコストがかかるものの、長く使えば使うほど固定費を抑えられるオンプレミスの方が良いと考えました。
例えば、当社ではWordやExcelなどのオフィスアプリは、サブスクリプションではなく、あらかじめプリインストールされているPCを調達しています。多くのPCは3年から5年で交換するので、その期間だけの利用を考えると、サブスクリプション方式で調達するよりも、プリインストール版を導入した方が長期的なコストを抑えられます。メールシステムも同様で、クラウドサービスを導入してしまうと、長期にわたり高いコストが発生します。そこで、オンプレミスでの更新を推進しました」と理由を説明します。
旧メールシステムから社内での運用に携わってきたシステム部の谷 恭子 課長も、オンプレミスでの更新について次のように話します。
「ユーザー登録や更新などの運用を担う立場としては、できるだけ以前から利用していた環境と変わらないことを望んでいました。社員が利用する範囲やメールの送受信先などが一気に広がってしまうクラウドサービスでは、システム部として十分に管理し切れないのではないか、という心配がありました」。
さらに富山氏は「メールシステムのセキュリティ対策という観点から、システム部ではメールサーバーにアクセスできるPCやデバイスを厳密に管理しています。店舗に配備されているPCからは、あらかじめ設定された条件でのみメールシステムを利用できるように制限しています。こうした環境を構築できるのもオンプレミスならではの利点だと思っています。
加えて、メールシステムを自社で運用することで、メールのログをすべて保管できます。コンプライアンスの観点からも、メールデータの管理は重要だと考えています。こうした要件を総合的に判断して、すべての条件を満たしているDEEPMailを選定しました」と補足します。
安定した稼働と効率の良い運用管理を実現
DEEPMail導入において山口氏は「当社で契約しているデータセンターのサーバーへの導入は、DEEPMailを提案してくれたITパートナーに一任しました。社内のサーバールームでの運用も検討したのですが、データセンターを活用した方が、24時間365日の運用監視が可能なので、メールシステムの安定稼働にとって最適だと思います」と説明します。
またDEEPMailのユーザー管理や各種設定を担当している谷氏は「更新の直後は、メーリングリストの使い方やエイリアスの設定、メールの送受信サイズなどについてサポートに問い合わせしました。DEEPMailの管理画面は分かりやすく、一度教えてもらえばあとは自分で対処できるので、日々の運用で困ることはありません」と評価します。
さらに富山氏は「セキュリティ対策という観点から、社員に配布しているスマートフォンからもDEEPMailの利用は制限しています。一部の役員と承認された社員だけが利用できるように管理しています。世の中では、メールからの情報漏えいやマルウェア感染など、多くの被害が発生しているので、ITにあまり詳しくない社員がメールの利用で間違いを起こさないように、システム部としてはDEEPMailの機能を効果的に使って守っていきたいと思います」と話します。
さらなるセキュリティ対策の強化やDEEPMailの活用も推進
今後に向けた取り組みについて、山口氏は「例えば、送信先のメールサービスにレギュレーションの変更があり、システム部で何らかの対策が必要になるときに、DEEPMailの設定は対応しているかどうかといった、システム部だけでは解決できない疑問や対策などについては、今後もITパートナーやクオリティアのサポートに協力してもらいたいと考えています」と期待を述べます。
また富山氏も「メールのセキュリティ対策に関しては、今後も積極的に取り組んでいく必要があります。現在の運用では、メールの送受信を厳密に管理しているので、リスクは抑えられていると思いますが、部署によっては社外とのやり取りが頻繁になるケースもあります。そうしたときに、社内から外部に送信するメールの安全性を確保したり、外部から届くメールの危険性を排除するような対策もさらに一層検討していかなければなりません。そうしたセキュリティ対策についても、ITパートナーやクリオティアからの提案を期待しています」と語ります。