導入のきっかけと導入前の課題
獨協医科大学では1000人を超える学生、職員、医師などのメールコミュニケーション環境にWebメールシステムのActive! mail 6を2009年10月から採用しています。その経緯について医学情報センター教授の野上謙一氏は次のように振り返ります。
「従来Webメールにはオープンソースの製品を使用していましたが、インターフェースや機能などに大きな不満がありました。また、特に学生から携帯電話からの使用ニーズが高まっていたのですが、対応できないという問題もありました。」
「医科大学という特性上、画像ファイルやPPTファイルなど場合によっては10M、20Mを超えるようなサイズの医学情報ファイルをやりとりすることも多く、メールデータ量のひっ迫とファイル送受信時のセキュリティ対策も迫られていました。
そこで、医学情報センターの移設を機にActive! mail 6とファイル管理拡張オプションの採用を決めました。」
獨協医学大学
医学情報センター
教授
野上 謙一氏
デスクトップメ-ルと変わらない操作感が最大の導入の決め手
メールはいまやコミュニケーションに必須のツールになりつつありますが、メールソフトの設定には意外に手間がかかります。
「Webメールシステムであれば、ユーザーIDとパスワード、そしてURLさえ知っていれば誰にでもすぐに使い始めることができます。ほかのWebメール製品と比較してActive! mail 6の優れている点は、Ajaxの採用などでWebアプリケーションであることを感じさせない操作感を実現していることであり、デスクトップアプリケーションからWebメールへの移行を促しやすいことです。
また、開発元のトランスウエアが国内メーカーであることも、製品の日本語対応やサポートの点で非常に安心できる部分でした。」と医学情報センターの樋口幸紀氏は話します。
旧システムとの統合と移行についても、非常に緩やかに3カ月という期間で済ませることができました。
機密性が高く容量も大きい医学情報ファイルのセキュアな送受信を可能に
Active! mail 6の提供するセキュリティ対策について、同じく医学情報センター助教授の山下真幸氏は次のように評価します。
「Webメールはブラウザー環境さえあれば、いつでも・どこでも利用できるのが最大の特長ですが、従来使用していた製品ではCookieの仕組みでIDやパスワードをブラウザー経由でPCに記憶されてしまうという懸念点がありました。
この点、Active! mail 6ではIDやパスワードを記憶させないという認証情報の制御が出来るところが非常に優れています。」
「また機密性が高く、且つ大容量になりがちな医学情報ファイルの送受信にも、自学内のサーバー環境でファイル拡張管理オプションを導入することで対応しています。ファイル拡張管理オプションは、Active! mail 6のインターフェース上からWebサーバー上でのファイル管理と、メール添付をしないファイルの受け渡しを可能にするので、その利便性は大幅に向上しました。」
「メールにファイルを直接添付する従来の方法に代えてファイル管理拡張オプションに任せることで、パスワード付きアーカイブファイルの生成を自動で行うことができるようになり、メール容量上限サイズを超えるようなファイルも安心して送信できるようになりました。
さらに、ファイルのダウンロード回数・期限なども設定できるので、サイズの大きなファイルのアップロードや、期限をすぎてからの削除の手間からも解放されます。」
「また、自学内にサーバーを構築して導入していますので、第三者のファイル送受信サービスにファイルを預けるというセキュリティ上の心配もなく、情報の機密性を確保することができると考えています。」と山下氏は話します。
獨協医学大学
医学情報センター
助教授
山下 真幸氏
仮想化サーバークラスタによる冗長化システムへの展開も視野に
「フリーのWebメールなどの利用は、外部へデータを預けることや管理面での不安、またインターネット回線環境などの都合もあり、現在は考えていません。」
「今後は仮想化サーバークラスタによる冗長化システムへの展開なども予想されるので、そのような環境でのActive! mail 6の利用について、トランスウエアと協議しながら考えていければと思います。
また、細かい部分ではまだまだ改善をリクエストしたい部分もあります。この辺りは国産メーカーであるトランスウエアには、バージョンアップ版での迅速な対応など大いに期待しています。」と樋口氏は今後の抱負について話します。