「写真は未来の宝もの」をコンセプトに、写真撮影を通して、お子さまとそのご家族の笑顔あふれる幸せな時間を創り出す株式会社スタジオアリス。1992年に独自のビジネスモデルとして「こども写真」に特化した写真館の1号店を大阪市に出店し、1999年からスタジオアリスとして全国にビジネスを展開しています。2022年には30周年を迎え、全都道府県458店舗を運営しています。同社の情報システムグループでは、取引先とのメールで大切な情報が漏れないようにとの配慮から、Active! gate SSをMicrosoft 365と連携させて、Webダウンロードによる添付ファイルの漏えい防止とPPAP対策に取り組んでいます。
メールの誤送信による情報漏えいへの対策を強化
株式会社スタジオアリスの業務一部で情報システムグループに所属する金相辰氏は、Active! gate SSの導入に至る背景を次のように切り出します。
「本社で働く社員の多くは、全国に展開しているスタジオアリスの店舗運営や新規出店など、事業に関わる重要な情報をメールでやり取りしています。特に、新規の出店情報や店舗で利用される撮影機材などに関するメールには、価格や工事計画などの重要な資料が添付ファイルでやり取りされます。そのため、社員教育を通して添付ファイルの暗号化を推進してきましたが、啓もう活動にも限界がありました。そこで、数年前からメールの添付ファイルから情報が漏れないようにするシステムの導入に取り組んできました」。
情報システムグループでは、ITパートナー企業の富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社の協力を得ながら、最適な誤送信防止の対策を調査していました。そして「2年ほど前に、メールクライアントとして利用していたOutlookのアドオンによる対策を実施しました」と金氏は話します。当時、スタジオアリスの本社では、ホスティングサービスのメールサーバーを契約して、社員はOutlookから利用していました。そのため、添付ファイルの自動暗号化はOutlook用のアドオンで対応できると判断したのです。
しかし、メールクライアント側での添付ファイル暗号化には、いくつかの問題がありました。「Outlookなどがアップデートされると、アドオンが動作しなくなることがありました。そのたびに、社員から問い合わせがあり、電話で更新方法を教えるか、リモートアクセスで個別に対応する必要があり、情報システムグループとしても業務負担が増えていたのです」と説明し、加えて「契約していたメールサーバーにも課題がありました。年に数回ですが、サーバーがダウンしてメールが使えなくなるトラブルが発生していました。そこで、PPAP対策も考慮しメールサーバーも含めた抜本的な解決策に取り組むことにしました」と金氏は振り返ります。
株式会社スタジオアリス
業務一部
情報システムグループ
金 相辰氏
誤送信防止への対策としてActive! gate SSに注目
Outlookのアドオンによる添付ファイルの自動暗号化に限界を感じた情報システムグループでは、新たな対策の検討を開始しました。その過程で「ITパートナーの富士フイルムビジネスイノベーションジャパンから紹介されていたActive! gate SSに注目しました。実は、当社のお取引先でも、すでに導入されている会社が何社もあり、そこから送られてくるメールでActive! gate SSという名前と機能は知っていました。ただ、当時のメールサーバーの課題もあり、Active! gate SSの導入をきっかけに、メールサーバーもMicrosoft 365への乗り換えを検討しました」と金氏は更新のきっかけを説明します。
Active! gate SSの検討にあたり、特に注目した点については「クラウドサービスなので、アドオンが不要になり、運用の手間が大きく軽減されると思いました。また、PPAP対策も検討していたので、Webダウンロードが利用できる点と、管理者はその履歴が閲覧できるので、社内のコンプライアンスに対応するトレーサビリティも実現できると考えました」と金氏は評価します。
PPAP対策になるActive! gate SSの採用に合わせてMicrosoft 365も契約
社員がOutlookをメールクライアントとして利用していたこともあり、Active! gate SSを導入するためにMicrosoft 365への切り替えを決めた情報システムグループでは、2022年の7月からトライアルを実施しました。トライアルの期間に重視されたポイントでは「社員がいかにActive! gate SSの利用を意識しないで、Outlookで添付ファイルの安全性を確保できるかを検証しました。結果として、いつも通りの使い方をするだけで、Active! gate SSが自動的に添付ファイルをWebダウンロードに置き換えてくれるので、これならば安心して導入できると判断しました」と金氏は検証の結果に触れます。
また、情報システムグループでは、クオリティアの導入支援サービスも活用しました。その理由について金氏は「Active! gate SSもMicrosoft 365も新規の導入でしたから、こちらが必要とする設定を確実に行いたいと考えて、導入支援サービスの利用を決めました。新規の導入で特に配慮した点は、Webダウンロードが自動的に行われて、社員がOutlookをこれまでと同様に使えるようにする設定でした。以前のアドオンでは、導入も運用も苦労したので、利用者も管理者も手間や負担のかからないようにしたかったのです。そこで、Webダウンロードの利便性に特化したActive! gate SSの設定をクオリティアからサポートしてもらいました」と振り返り、「導入支援サービスには満足しています。おかげで、安心してActive! gate SSとMicrosoft 365への移行を実現できました」と話します。
Webダウンロードの効果で情報漏えいを未然に防止
検証期間を経て、2022年10月からActive! gate SSとMicrosoft 365によるメールの運用を開始したスタジオアリスでは、すぐに導入の効果を実感しました。それは「添付ファイルがWebダウンロードになったおかげで、うっかり社員が間違ったファイルを送ってしまっても、すぐにキャンセルして誤送信を防止できるようになりました。人による操作には、必ずミスはつきものです。大切なことは、そうしたミスが起こったときに、どれだけリカバリーできるシステムを運用しているかどうかです。Active! gate SSによるWebダウンロードは、こうしたミスへの対策に、とても効果があると実感しています」と金氏は説明します。
退職している方のメールアドレスへの誤送信対策にもActive! gate SSを活用
Webダウンロードによる誤送信防止に加えて、情報システムグループでは、もうひとつ重要なActive! gate SSの効果を実感しています。例えば、過去のメールにリプライ(全員)してしまうと辞めた方のメールアドレスが残っていることがあり、送信ファイルを閲覧できることで情報漏えいにつながる懸念があります。そこで、送信してしまった後でも、サーバーからその方の添付ファイルのみを削除することで、情報漏えい対策をすることができます。
さらに金氏は「Webダウンロードのパスワード通知メールを早く相手先に送りたいと依頼してくる社員には、Active! gate SSのユーザー毎の管理画面から設定できるように案内しています。詳しい社員は、自分で管理画面を使いこなしているので、情報システムグループへの問い合わせも減りました。Active! gate SSの導入により、添付ファイルの安全性が高まっただけではなく、情報システムグループの運用負荷も大きく軽減されました」と評価します。
受信メールのセキュリティ対策も検討
今後に向けた取り組みについて、金氏は「Active! gate SSによって、当社から発信するアウトバウンドのメールに対する情報漏えい対策は強化できました。その一方で、社員が受信するインバウンドのメールに対するセキュリティ対策は、今後もっと強化していく必要があると感じています。その点でも、クオリティアに相談できればと考えています」と金氏は期待を語ります。