Office 365の導入がメール誤送信対策の強化のきっかけ
マイクロシステム株式会社は、創業50年を超える老舗のOA販売会社です。その歴史と現在の事業について、代表取締役の國府田治彦氏は、次のように説明します。「当社は金融機関向けなどのマイクロフィルマーの取り扱いからスタートして、日本のOA需要に応える製品の販売で成長してきました。10年ほど前からは、IT関連商品にも力を入れるようになり、サーバーやオフィス向けPCに、Office 365などのクラウドサービスも取り扱っています。また、当社のメールも、数年前からクラウド型に切り替えて、営業担当は外出先からもスマートフォンで利用できるようになっています」
同社のクラウド型メールの利用について、SI推進事業部営業課の響谷良行課長が補足します。「以前は、自社でメールサーバーを運用していましたが、数年前にOffice 365のクラウド型メールに切り替えました。そのおかげで、社内のPCだけではなく、スマートフォンやタブレットからもメールを利用できるようになり、営業の機動力は高まりました」
Office 365によって、メールの利便性が改善された一方で、新たな課題も発生していました。それは、メールの誤送信への対策です。その問題について、営業企画SI推進事業部の太田昭次部長が振り返ります。「一番の課題は、メールのセキュリティ面での不安でした。オンプレミスでメールサーバーを運用していた当時は、サーバー側でメールのルールをコントロールできたのですが、Office 365では誤送信防止やメールの承認などの機能が十分には備わっていません。そのため、第三者によるメールのチェックができないので、客先に間違ったファイルを添付してしまったり、個人情報などを送信してしまう心配があったのです」こうしたメールのセキュリティ対策に関する不安を解決するために、同社ではOffice 365に対応した誤送信防止ソリューションを検討しました。
マイクロシステム株式会社
代表取締役社長
國府田 治彦氏
マイクロシステム株式会社
営業企画 SI推進事業部 部長
太田 昭次氏
マイクロシステム株式会社
SI推進事業部 営業課 課長
響谷 良行氏
充実した承認機能を評価してActive! gate SSを採用
「メールの誤送信を防止するといっても、その対策はいろいろあると思います。当社では、より安全にメールを送信するために、誤送信防止の中でも承認機能に注目しました。誰かが客先に送信しようとしたメールを、上長だけではなく関連する部門の複数のスタッフが、きちんと読んで判断して承認することで、ミスを確実に予防できると考えました。そこで、承認機能の充実した製品を選ぶことにしたのです」と太田氏は選定の経緯を語ります。
一般的な承認機能では、予め登録されている部署や部門の上司に承認用のメールが送られます。そして、その内容を確認した上長が承認すれば、メールは相手先に送信される仕組みになっています。しかし、同社が求めた承認機能は、より複雑なもので営業という業務のワークフローに準じた承認プロセスでした。
「多くの誤送信防止ソリューションを検討しましたが、なかなか当社の求める承認フローをOffice 365で実現できるクラウドサービスはありませんでした。そんなときに、Active! gate SSならば実現できるという話を聞いて、実際に可能かどうかをテストすることにしたのです」と響谷氏はActive! gate SSを選んだ理由を話します。
実際に同社が検討した承認フローは、図のようになっています。一人の担当者に対して複数の人の目で確かめられるように、プロジエクトやチームごとに細かく設計されています。「これだけ詳細にメールの承認フローを構築できる誤送信防止ソリューションは、他には見当たりませんでした。特に、部署や役職によって、自動的にCcに入れるかどうかの設定など、こちらの希望する通りに条件を定義できる柔軟性は、高く評価しています」と太田氏は補足します。
誤送信の防止に加えて営業対応の強化にもActive! gate SSが貢献
Active! gate SSによってOffice 365にメールの承認プロセスを付加して、誤送信防止を強化した営業部門では、新たな導入の成果も得ました。「承認を必要とするメールは、上長や部門長が外出先からでも、スマートフォンなどで容易に確認できるので、対応が迅速になりました。また、メールを送信した本人は、単なる問い合わせに対する回答だと思っていても、経験豊富な上司が確認することで、クレームに発展しそうな可能性なども未然に察知できるようになりました。通常であれば、日報などで当日の夕方や翌日にならなければ分からないお客様先とのやり取りも、メールの承認プロセスによって、ほぼリアルタイムで確認できるようになり、顧客対応の質も向上したと思います」と太田氏は評価します。またActive! gate SSのWebダウンロード機能も、大きな添付ファイルを送信するときに役立っています。
「Office 365の添付ファイルは、最大で150MBまで対応しているのですが、多くのお客様先で受信できないのが現状です。そのため、Active! gate SSによって、大きな添付ファイルを自動的にWebダウンロードに変換してくれる機能は、とても重宝しています。うっかり、大きなファイルを添付してしまっても自動的に変換されるので、確実にお客様先でダウンロードしてもらえます」と響谷氏はWebダウンロードの利便性について話します。
Active! vault SSでコンプライアンス対策を計りワークスタイル改革にも取り組んでいく
「Active! gate SSに加えて、メールのアーカイブのためにActive! vault SSも導入しました。コストパフォーマンスが優れているだけではなく、毎月アーカイブされたメールがブルーレイディスクに入れられて届くので、保管も容易で安全な運用ができると判断したからです」と響谷氏は導入の理由を説明します。
同社では、Active! vault SSでコンプライアンス対策を強化していくと同時に、Active! gate SSによるメールの承認フローを活用して、ワークスタイル変革にも取り組んでいく考えです。
「メールの承認をいつでもどこからでもできるようになったので、営業担当は毎朝出社しなくても、柔軟に働けるようになります。この仕組みを活用して、ワークスタイル変革を推進していこうと計画しています」と太田氏は計画を語ります。
Active! gate SSによって、メールを中心とした業務の信頼性や安全性を高めた同社では、その経験を元にビジネスを発展させていく予定です。「ワークスタイルの変化が伴って、改めてメールの誤送信防止をはじめとしたセキュリティ対策の分野では、多くの会社がセキュリティの強化と自社のワークフローとの間で困っています。そこで、我々が実際に構築して経験した知見を活かして、今後は商材としてActive! gate SSとActive! vault SSをお客様に自信を持って提案してまいります」と國府田氏は、今後のビジネスに向けた展望を語りました。